汚染水長期保管の真摯な議論に水をさす きわめて無責任な環境相の発言

大沼です

9月10日、内閣改造直前の原田環境大臣が、汚染水に関して「海洋放出しか方法がな
い」と発言しました。
辞め際のイタチの最後っ屁とでもいうべき発言ですが看過するべきではありません。
経産省「「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」が昨年8月、開催し
た公聴会では、漁業
関係者を含めて多くの人たちから「陸上で安定的に長期保管すべきだ」という意見が
表明されました。
これを踏まえて、8月9日に開催された第13回小委員会でようやく陸上保管について議
題にのぼり、
真剣な議論が行われはじめたところです。
また、FoE声明でもふれていますが、フクイチ原発サイトに隣接して、
サイト敷地の4倍以上の面積を持つ中間貯蔵施設用地があります。
また、その外側には300平方キロもの帰還困難区域があります。
このエリアは、100年経っても人が住むべきではない激甚汚染地域です。
汚染水タンクのためのスペースは、ないわけではないのです。
にもかかわらず、本来であれば、安易な海洋放出をいさめるべき立場の環境
大臣がこのような発言をすることは、極めて無責任です。
環境省は環境を守る砦のはずが、今や「環境汚染省」に成り下がっています。
このような大臣を任命した安倍首相の責任も重大です。
(この人物の任命責任もの事件はこれまでも多発してきましたが…)
この発言に対して、環境NGO・FoE-Japanがすぐさま抗議の声明をあげています。
FoEの機動力と正確な分析能力にはいつも感服しています。
後追いになりますが、追加の声明なども有効かと思います。
皆さんの所属されている団体などでもご検討いただければ幸いです。
すでに原田某は環境省ではありませんし、小泉新環境相はとりあえず原田発言を批判
した
と伝えられているので、迫力は欠きますが…

★(以下、FoEの声明)
汚染水長期保管の真摯な議論に水をさす
きわめて無責任な環境相の発言
http://www.foejapan.org/energy/library/190911.html

東電福島第一原発の敷地にたまり続けるALPS処理汚染水に関して、9月10日、原
田環境大臣が「海洋放出しか方法がないというのが私の印象だ」と発言しました。
しかし、これは根拠がないきわめて無責任な発言であり、環境大臣としても政治
家としても不適切なものです。
第一に、経済産業省のもとに設置されている「多核種除去設備等処理水の取扱い
に関する小委員会(以下ALPS小委員会)」において、現在、汚染水の取り扱いに
関する検討が行われています。昨年8月、経済産業省ALPS小委員会が実施した公
聴会では、漁業関係者も含めた多くの参加者から「陸上長期保管を行うべき」と
いう意見が表明されました。これを受けて山本 一良委員長は、陸上保管案も一
つのオプションとして検討することを約束。今年8月9日の第13回委員会で、よ
うやく陸上における長期保管の議論がはじまったばかりです。
第二に、「海洋放出しか方法がない」というのは事実ではありません。専門家や
研究者も参加する市民シンクタンクである「原子力市民委員会」も大型タンクな
どを用いた陸上長期保管案を提案し続けています。前述の第13回委員会において
も、「福島第一原発の敷地の利用状況をみると、現在あるタンク容量と同程度の
タンクを敷地の北側に設置できるのではないか」「敷地が足りないのであれば、
福島第一原発の敷地を拡張すればよい。環境省が所有する中間貯蔵施設用の土地
であれば、政府が調整すればよいのではないか」などといった意見が委員から出
され、真剣な議論が交わされたところです。
こうした中、「私の印象」などとしつつも、「海洋放出しかない」というのは、
閣僚、しかも地球環境保全や公害防止を任務とする環境大臣としてきわめて無責
任な発言です。
環境大臣は、むしろ東電や経済産業省が安易な海洋放出を選択した場合、環境保
全上の見地からそれをとどめる立場にあるのではないでしょうか。
さらに、原子力規制委員会の更田委員長も、処理水を希釈して海に流すしかない
とたびたび発言。これについても、上記と同様の理由で不適切であり規制機関の
長という立場を忘れた発言と言わざるをえません。
私たちは、こうした発言に強く抗議します。
私たちはまた、経済産業省ALPS小委員会が昨年公聴会を実施し、広く漁業関係者
や住民、国民の意見をきく努力をした姿勢を評価します。経済産業省に対しては、
公聴会における意見を尊重し、ALPS小委員会で陸上長期保管案に関する検討を継
続するよう求めます。
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関連記事:
汚染水の公聴会大もめ〜海洋放出に反対意見次々
https://foejapan.wordpress.com/2018/09/03/0903/

ALPS処理水、トリチウム以外核種の残留〜「説明・公聴会」の前提は崩れた
http://www.foejapan.org/energy/library/180829.html

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大沼淳一
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